週刊ニュースまとめ(2020年5月24日)

自分の関心のあるニュースを、ほぼ週単位でまとめておきたいと思います。中国、香港情勢、国際経済などに関するニュースが中心になると思います。

 

【中国:香港】全人代が香港版「国家安全法」を議題に
中国の張業遂・全人代報道官は、21日夜に記者会見し、22日に始まる全人代で、香港版「国家安全法」を議題にすることを明らかにしました。制定されれば、国家分裂、中央政府転覆、テロ活動、外国勢力の香港事務への干渉等の行為への取り締まりが厳しくなるとみられています。
香港の民主派は「一国二制度」の崩壊につながると反対の声をあげています。22日、ポンペオ米国務長官は、香港の自治に「死を告げる鐘」になると非難しました。
24日には、湾仔・銅鑼湾付近で抗議活動が行われ、警察は催涙弾を発射したほか、放水車や装甲車が出動する事態となっています。

 

【中国:政治】全人代が開幕
22日、新型コロナウイルスの感染拡大で延期されていた中国の全国人民代表大会(全人代)が北京の人民大会堂で開幕。李克強首相の政府活動報告では、今年のGDP成長率目標を示さず、財政出動を拡大する方針を示しました。
今年の政策活動任務の重点は以下の6項目。昨年は10項目だったので、項目を少なくしコンパクトにまとめた印象です。
1.マクロ政策
2.改革開放の深化
3.内需拡大戦略と経済発展パターンの転換加速
4.貧困脱却と農業・農民
5.対外開放
6.民生の保障と改善
香港・マカオについては、「われわれは「一国二制度」、「香港住民による香港の統治」、「マカオ住民によるマカオの統治」、高度の自治という方針を全面的かつ正確に貫徹し、特別行政区が国家安全を守るための法制度・執行メカニズムを確立・十全化し、憲法によって定められた責任を特別行政区政府に履行させなければならない」と述べました。

 

【香港:政治】香港はまた政治の季節へ
香港版国家安全法が大きなニュースとなっていますが、その前からIPCC報告書や「集合制限令」延長などに反対する抗議活動が始まっており、新型コロナがひと段落したところで、香港はすでに政治の季節に突入しています。15日、香港の独立監察警方処理投訴委員会(IPCC)が、昨年の抗議活動に対する警察の対応に関する報告書をようやく発表しました。警察の武力使用については、危険回避のためで許容範囲だったと判断。7月21日の元朗事件など一部の現場では、対応ミスが市民の不信を招いたと指摘しました。ほぼ予想通りの内容といったところだと思いますが、民主派は納得せず、改めて独立調査委員会の設置を求めていくものと思われます。
https://www.ipcc.gov.hk/tc/public_communications/ipcc_thematic_study_report.html
19日、香港政府は、9人以上が集まることを禁じる「集合制限令」を6月4日まで延長すると発表しました。毎年ビクトリア・パークで開催されてきた6・4集会の開催をめぐってひと悶着あることが予想されます。

 

【米中:コロナ】WHOをめぐる米中の小競り合い
18日、WHOの総会が開催されました。台湾のオブザーバー参加は認められませんでした。
ビデオ会議開幕式で、中国の習近平国家主席が、「団結・協力して感染症との闘いに勝利し、人類衛生共同体を共同構築する」と題する挨拶を述べました。習政権の「人類運命共同体」というスローガンとかぶせてきていますね。
米国は、WHOが中国寄りとの批判を強め、トランプ大統領は、テドロス事務局長宛の書簡で、資金拠出停止の恒久化と米国のWHO脱退の可能性を示唆しました。
米中の争いがWHOにも及んでいます。感染症は世界的な課題なので、国際機関であるWHOの役割は重要です。米中がいがみ合うことで感染症対策が遅れないようにしてほしいと思います。ウイルスという共通の敵が現れても人類は団結できないのでしょうか?

 

【日本:コロナ】京都、大阪、兵庫の緊急事態宣言が解除
日本政府は、京都府、大阪府、兵庫県の緊急事態宣言を解除することを決定。北海道、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の解除は見送られましたが、安倍総理は25日に再び判断すると表明しました。

 

【台湾:政治】蔡英文総統が2期目の就任式で演説
20日、台湾の蔡英文総統は、2期目の就任式で演説し、「一国二制度」による統一を拒否すると明言し、「脱・中国依存」を加速すると表明しました。民放TVBSの世論調査によれば、蔡総統の施政満足度は61%で就任後最高水準まで高まっています。新型コロナへの対応が評価されているようです(24日時点で、台湾における新型コロナによる死者は7人)。

 

【経済:コロナ】新型コロナの経済的影響
中国の4月の主要経済指標が発表されました。鉱工業生産が3.9%増とプラス成長に転じたほか、固定資産投資、小売売上高などもまだマイナスながらも前月より好転し、回復基調がみてとれます。70都市住宅価格については、上昇都市数が前月よりも12増加し、コロナ前の水準を回復しました。
香港政府は、第1四半期のGDP成長率の改定値が速報値と同じ前年同期比マイナス8.9%と公表。香港の2~4月の失業率は5.2%で、前期から1.0ポイント上昇。10年半ぶりの高水準となりました。
ANAカーゴは19日、成田‐武漢間の貨物臨時便の運行を始めました。旅客定期便の運休はまだ続いていますが、コロナ後の復旧を感じさせる象徴的なニュースでした。

 

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