週刊ニュースまとめ(2020年6月7日)
6月は昨年の抗議活動の周年イベントが複数開催されると予想されます。あきらめムードが漂っているとの報道もありますが、しばらく香港から目を離すことはできません。
【香港:デモ】不許可のまま六四集会を開催
香港警察は1日、支聯会が4日にビクトリア・パークで計画していた「天安門事件犠牲者追悼集会」(六四集会)を許可しないと通知しました。六四集会が不許可になるのは、天安門事件翌年の1999年に開始して以来初めてです。
香港立法会は4日、国歌条例案を可決しました。替え歌などで国家を侮辱した場合、最高で禁錮3年の罰則を規定しています。
天安門事件から31年目の4日夜、ビクトリア・パークにはろうそくを手にした多くの人が集まりました。許可なしの集会でしたが、警察はパーク内での排除活動を行わなかったようです。そのほか、旺角、沙田、屯門、西営盤、大角咀など香港各地で追悼活動が行われました。
【香港:中国】ラム行政長官が北京を訪問
香港のキャリー・ラム行政長官は3日、北京を訪問し、韓正副首相と約3時間にわたって会談しました。鄭若力(テレサ・チェン)司法長官、李家超(ジョン・リー)保安局長、鄧炳強(クリス・タン)警務処長らが同行しました。
ラム行政長官は会談後に報道陣の取材に応じ、香港への国家安全法導入について「必要な情報の分析や法案の作成についてはすべて本土の手続きに沿って決まることだ」と述べました。
3日の新華社の報道により、韓副首相が責任者を務める「香港マカオ協力・調整小組」が「香港マカオ領導小組」に格上げされたことが明らかになりました。香港メディアは、組長は韓正副首相、副組長は趙克志・公安部長と夏寶龍・香港マカオ弁公室主任だと伝えています。
【香港:英国】英国が移民法改正を示唆
英国のジョンソン首相は、3日付サウスチャイナ・モーニングポストへの寄稿で、中国が香港に国家安全法制を導入するなら、英政府は移民法を改正すると述べました。英国海外市民(BNO)旅券を持つ香港市民に対し、英国での12か月間(更新可能)の滞在を許可し、就労などの権利を与える方針です。
(For Hongkongers fearing for their way of life, Britain will provide an alternative: Boris Johnson)
https://www.scmp.com/comment/opinion/article/3087252/hongkongers-fearing-their-way-life-britain-will-provide-alternative
【米中:民主化】ポンペオ国務長官が王丹氏らと会談
米国務省は3日、ポンペオ米国務長官が中国の天安門事件の元学生リーダー王丹氏らと2日に会談したと発表。国務省は事件に合わせ「殺害された人々や行方不明になった人々に関する完全な説明を求める」との声明を出しました。
【米国:デモ】トランプ大統領はデモに対し強硬姿勢
トランプ大統領は1日、ホワイトハウスで演説し、全米各地で人種差別への抗議デモが発生していることについて、破壊行為や略奪を「平和的抗議ではなく国内テロだ」と厳しく非難し、地元当局の行動が不十分なら軍を動員すると表明しました。
【中国:経済】海南自由貿易港の計画を発表
中国共産党中央と国務院は1日、海南自由貿易港の建設に関する計画を発表しました。海外からの輸入製品を関税ゼロとするほか、企業所得税を15%にひきさげる予定。優遇策は2025年までに一部で導入し、計画全体は35年までの実現を目指します。
中国政府は8日、「香港と競争するのではなく、互いに補う関係になる」との見解を示しましたが、香港の代わりとなる国際貿易拠点を模索しているのではないかとの見方もあります。
【中国:経済】中国の5月の輸出額はマイナス
中国税関総署は7日、5月の輸出額(速報値)は前年同月比3.3%減の2068億1280万米ドルだったと発表しました。プラス成長となった4月から再びマイナスに転じました。輸入額は16.7%減の1438億8670万米ドルでした。
中国人民銀行が7日に発表した5月末の外貨準備高は3兆1016億9200万米ドルで、前月末から102億3300万米ドル増加しました。2か月連続の増加です。
【中国:コロナ】中国が新型コロナ白書を発表
中国国務院は7日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に関する中国の対応をまとめた白書「新型コロナとの戦いの中国行動」を発表しました。
新規感染者がゼロになったわけではありませんが、この早いタイミングで総括してしまうところは中国ならではですね。
【香港:コロナ】香港政府が集合制限令を再延長
香港政府は2日、新型コロナウイルスの感染防止策として公共の場所で9人以上が集まることを禁じる集合制限令を今月18日まで2週間延長すると発表しました。
中国本土、マカオ、台湾の中華圏を対象にした入境制限については、今月7日の期限を7月7日まで延長することを決めました。中華圏以外の海外を対象にした入境制限は、今月18日までの起源を3か月伸ばし、9月18日までとしています。
6月は昨年の抗議活動の基点となった月で、周年イベントが複数開催されることが予想され、集合制限令の延長はデモ封じの効果を期待してのものではないかとの見方もあります。
【日本:コロナ】東京都がアラートを発動
東京都は2日、新規感染者が増加傾向にあることから、感染再拡大の兆候があるとして警戒情報「東京アラート」を発動しました。
国分寺市の感染者は、7日現在13人で、5月29日以来増えていません。小学校は、隔日登校ですが、8日から給食が始まります。
【日中:外交】習主席の来日は11月以降の見通し
茂木外務大臣は、中国の習近平国家主席の来日は、9月で再調整しているG7サミットや11月に予定するG20サミットの開催後になるとの見通しを示し、「少なくとも具体的な日程調整をする段階にはない」と述べました。
日中双方の国内情勢のほか、米大統領選の行方を見ながらの判断になるかもしれませんね。
【中国:外交】習主席がメルケル首相、マクロン大統領らと電話会談
中国の習近平国家主席は3日、ドイツのメルケル首相と、5日にはフランスのマクロン大統領、コスタリカのアルバラド大統領とそれぞれ電話協議を行いました。
まだしばらく電話外交が続くのでしょうか。最初の外遊先が気になります。
【米中:安保】米駆逐艦が台湾海峡を航行
米海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ラッセル」は4日、台湾海峡を航行しました。米軍艦の台湾海峡通過は今年7度目です。