週刊ニュースまとめ（2020年6月14日）

習近平国家主席の来日について、年内訪日は困難との報道が、国内主要紙やSCMPにより報じられました。もし事実だとして、どちらがどのような形で公にするのか気になります。

今後の経済見通しについての報道も多くなってきました。少なくとも一時的に経済が悪化するのは明らかですが、それが一時的なものとなるのか、長期停滞につながるのかが重要です。世銀は来年は復調するとみているようです。

【日中：外交】習主席の年内訪日は困難との報道

6日付産経（ネット版）は、政府高官は「習氏は来日できないし、来ないだろう」との見通しを明らかにしたと報じました。毎日新聞も同日、外務省関係者の話として、日程調整を中断したと報じました。
12日付朝日（ネット版）は、中国外交筋の見解を次のように報じています。香港問題は「両国間の問題でもない内政干渉であり、大使を呼び出したのは重い。習氏の年内訪日を模索する動きは完全に消えた」。また、中国側が支持率が下がっている安倍政権との外交に価値はなく、訪日は回避すべきだとの声も高まっていると紹介しています。
13日付SCMPは、日本外交筋の話として、香港問題、新型コロナ、戦狼外交、尖閣問題などで日本国民は中国にネガティブになってきており、習主席の訪日を歓迎する雰囲気ではないと報じました。
（習主席国賓来日、年内見送り事実上の白紙：産経）
https://news.yahoo.co.jp/articles/70c0f9accfc3e7c51fd3bfecd868de12847d51cd
（習近平氏の来日、年内困難に香港の統制強化などで国賓招待に反発広がる：毎日）
https://mainichi.jp/articles/20200606/k00/00m/030/079000c
（習主席の訪日年内は困難に香港情勢、深まる相互不信：朝日）
https://digital.asahi.com/articles/ASN6D5VJ5N6CUTFK011.html?_requesturl=articles%2FASN6D5VJ5N6CUTFK011.html&pn=8
（Xi Jinping’s Japan visit ‘unlikely to go ahead’ after mood turns sour towards China：SCMP）
https://www.scmp.com/news/china/diplomacy/article/3088892/xi-jinpings-japan-visit-unlikely-go-ahead-after-mood-turns

【香港：デモ】9日と12日に抗議活動

昨年の100万人デモから1周年の9日、香港各地で抗議活動（不許可）が行われ、セントラルの活動には数百人が参加しました。警察は2人の区議会議員を含む53人を逮捕しました。
立法会占拠から1年の12日、複数の場所で市民が抗議活動を行い、13日未明までに立法会議員の許智峯を含む43人が逮捕されました。
散発的な活動は行われていますが、大きな動きにはなっていない印象です。

写真：2019年6月9日のいわゆる100万人デモ

【米国：経済】米経済は2月から後退期入り

米FRBは、米国の今年の経済成長率がマイナス6.5％になると予想しました。
11日のNY株は、前日比1861ドル安で、史上4番目の下げ幅を記録しました。
全米経済研究所（NBER）は8日、米国の景気が今年2月をピークに後退期入りしたと発表しました。2009年6月に始まった過去最長の景気拡大期は128か月で終了したことになります。これが新型コロナによる一時的なものなのか、長期停滞につながるかが重要ですね。

【中国：経済】中国は1％成長：世銀の世界経済見通し

世界銀行は8日、世界経済見通しを発表。中国の今年のGDP成長率を1％と予測しました。全世界の経済成長については、マイナス5.2％と予測。来年は4.2％に復調するとみています。

【香港：経済】香港政府がキャセイ支援

香港の航空大手キャセイパシフィック航空は9日、香港政府などに対する割り当て増資などで総額390億HKドルの資本を調達すると発表しました。うち政府の支援額は273億HKドル。香港政府は、キャセイ支援を目的とした100％出資会社「アビエーション2020」を設立し、同社を通じ195億HKドル相当の優先株を引き受けます。
世界中の航空会社が新型コロナにより大きな打撃を受けています。各国が航空会社にどのような支援を行うのか注目です。香港政府は、キャセイ救済に動きましたが、より厳しい状況にあると言われている香港航空についてはどう対処するのでしょうか。

【米中：安保】米軍の輸送機が台湾付近を通過し、中国の戦闘機が追尾

台湾メディアは9日、米軍の輸送機C40Aが台湾の西側の上空を北から南に通過したと伝えました。同機は、沖縄の嘉手納基地から飛び立ちました。台湾国防部によると、中国軍の複数のスホイ30戦闘機がこれに反応し、台湾の西南空域を短時間飛行しました。中国国務院台湾事務弁公室は11日、「強烈な不満と断固とした反対を表明する」との談話を発表しました。